皆さんは、「ヨガ」と言うと何をイメージされますか?
多くの場合、「ポーズ」を連想するのではないでしょうか。
もちろん、「ポーズ」もヨガの要素のひとつと言えます。
しかし!実はそれは、ヨガのほんの一部なのです。
今回お話しする〝ヨガ八支則〟は、古くからヨガの基盤となっている大切な教え。
そして、「ヨガ」というものをより広い目で捉えるために役立つ考え方です。
日常的にヨガをして、生き方全体を整える。
いつも穏やかに、ゆとりを持って暮らすための秘訣を〝ヨガ八支則〟は教えてくれます。
今回はヨガ哲学入門として、全体像を見ていきましょう。
|1.ヨガ八支則とは?
ヨガ八支則とは、聖典『ヨガ・スートラ』の中に記されている、ヨガ実践にあたっての軸となる教えです。
ヨガの目的は心の波を静めること。その目的を成し遂げるためには八つのプロセスがあります。
その八つのプロセスを体系化したものが〝ヨガ八支則〟です。
--------- ヨガ八支則 ---------
①ヤマ(禁戒)…すべきでないこと
②ニヤマ(勧戒)…すべきこと
③アーサナ(坐法)…身体の調整、ポーズ
④プラーナーヤーマ(調気法)…呼吸の調整
⑤プラティヤハラ(感覚制御)…心理の調整
⑥ダラーナ(集中)…【瞑想1】集中しようとする
⑦ディヤーナ(瞑想)…【瞑想2】集中が持続する
⑧サマディ(三昧)…【瞑想3】無我、穏やかな心
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|2.ヤマ
ヤマは禁戒と訳され、暮らしの中ですべきではない教えを示しています。
具体的には次の5つの内容です。
・アヒンサ―(非暴力)
・サティヤ(嘘をつかない)
・アスティヤ(盗まない)
・ブラフマチャリア(禁欲)
・アパリグラハ(執着しない)
あたり前のようなシンプルな内容ですが、あたり前のことほど軽視してしまうこともよくありますよね。
ヤマには、日々の自分の行いを、改めて見つめ直してみるために役立つ大切な要素が詰まっています。
|3.ニヤマ
ニヤマは勧戒と訳され、暮らしの中ですべき教えを示しています。
具体的には次の5つ。
・シャウチャ(清潔にすること)
・サントーシャ(足るを知ること)
・タパス(挑戦・努力すること)
・スヴァディアーヤ(学ぶこと)
・イーシュヴァラ・プラニダーナ(感謝すること)
こちらもヤマと並び、あたり前のような教えです。
しかし、改めて自分を振り返ってみると、意外とできていないこともあるかもしれません。
これらを頭の片隅に置いて暮らすことは、人間としてより豊かに成長していくために大切と言えそうですね。
|4.アーサナ
アーサナは、いわゆるポーズのこと。もとは、瞑想の際の姿勢だけでしたが、後にハタヨガが誕生し、様々なアーサナが生まれました。
アーサナは、今でこそ健康・美容法と捉えられていますが、深い瞑想に導くためのウォーミングアップ。身体を整えることは、心を整えることにつながっていくのです。
|5.プラーナーヤーマ
プラーナーヤーマ―は、呼吸法のことです。しかし、ヨガの呼吸法は解剖生理学の観点とは少し異なっています。
それは、生命エネルギーであるプラーナ(気)の調整をすることという考え方です。
東洋では、全てのものは〝気〟でできていると考えらており、私たち人間の身体も例外ではありません。
プラーナ(気)の巡りが滞ったり、バランスが悪くなったりすると心身の不調を引き起こすため、プラーナを調整することは非常に重要と言えます。
|6.プラティヤハーラ
プラティヤハーラは、感覚制御と訳されます。少し難しく感じるかもしれませんが、反応する感情をコントロールすることと考えてみてください。
私たちには五感という感覚器官があり、それにより外界の様々な情報を仕入れています。その情報には必ず心理作用が働きます。
例えば、嗅覚から香りをキャッチしたとします。
「いい香り!」
「何の香りだろう?」
「これはクレープだ!」
「美味しそう」
「食べたいな」
「買いに行こう!」
このように、心というものは無意識的にも反応して動くものです。
この感覚に反応する心の作用は、しばしば私たちを道に迷わせることがあります。
この例で言えば、もしダイエット中だったとしたらどうでしょう。反応する心のままにクレープを買いに行ってしまっては、本来の目的から外れてしまっていますよね。
つまり、私たちは暮らしの中で反応する心を意図的に制御する必要があるのです。本来進みたい方向へ行くには、衝動的・反応的な心をコントロールして、道を見失わないようにすること、それがプラティヤハーラの教えです。
|7.ダラーナ・ディヤーナ・サマディ
最後の3つのステップは、ダラーナ・ディヤーナ・サマディと言い、瞑想プロセスを示しています。
まず、ダラーナは集中しようとすることです。集中の対象は何であっても構いませんが、その対象に意識を注ぐということがはじめのステップ。
ここで、心をひとつの場所に留めることの難しさに気づくかもしれません。すぐに心は別の対象に惹きつけられて行ってしまいます。
それでも、繰り返し決めた対象に心を戻し集中することを続けると、次第に心がひとつの対象に留まっている時間が長くなっていきます。これがディヤーナ、瞑想状態です。ディヤーナは〝禅〟という言葉の語源であると言われています。
さらに、瞑想状態が深まると、心の波が静まったような穏やかな状態が訪れます。これがサマディの段階。ヨガの到達点です。人によっては、「無我の境地」や「空」などと表現されることもあります。
しかし、これらは結果的に起こることで、いきなり無になろうとしてもうまくはいきません。サマディに至るには、ダラーナ・ディヤーナのプロセスがとても重要なのです。もっと言えば、〝ヨガ八支則〟の教えの通り、ヤマ・ニヤマから順に7つのプロセスを通過することでサマディを知ることができるのではないでしょうか。
|8.外から内へ。生き方を整える
このように〝ヨガ八支則〟を見てみると、日常的行動からはじまり、身体・呼吸・心と、より外面的なところから、より内面的なところへとスイッチしていくプロセスと言えます。
そして、ヨガはポーズだけではなく、もっと暮らしに根付いた、生き方全体を整えるための教えを提示してくれていることに気づけますね。まさに自己規律の教えです。
このような教えは自分を規制するようで、不自由に感じてしまう方もいるかもしれません。しかし!本当に不自由なのは自分でコントロールできないことなのです。
常に、日常的なヨガで自己規律の練習をしておけば、どんなことにも動じず、自由に自分の生きたい道を歩むことができるのかもしれません!そして、それは穏やかにゆとりを持って毎日を過ごすための秘訣と言えるのではないでしょうか。
以上、ヨガ哲学入門〝ヨガ八支則〟の教えでした。どうぞご参考に。
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